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2011年10月17日

杉本博司版『曾根崎心中』

こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。

最近、macと並行して使ってるwindowsの調子が
どうもイマイチです。

早いうちに大事なデータは分散させとこうってことで、
昨日はほぼ一日自宅PCのデータ移行作業。

途中買った本、借りた本を読んだりしつつの
作業だったんで終了したのが夜の10時すぎ。

やはり、ながら作業はダメですな。


で、「そろそろ、ブログを書きますか。」
そう思いながら、ちらっと目についたテレビ欄に

NHK教育 ETV特集
『この世の名残 夜も名残
 ~杉本博司が挑む『曾根崎心中』オリジナル~』


の文字が。
ふだんほとんどテレビは見ないんですが

「杉本博司」『曾根崎心中』
見ないワケにいきません(笑)。

ってことで、一時間ちょっと
ブログそっちのけで見入ってしまいました。

内容は。。。
現代芸術家の杉本博司さんの演出で人形浄瑠璃の大定番
『曾根崎心中』を上演するまでを追ったドキュメンタリー。

冒頭何分かを見逃した&少々寝ぼけぎみだったのが
残念でしたけど、見ごたえのある良い番組でした。

番組の流れとしては
杉本版『曾根崎心中』の準備が進められる様子のあいだに
杉本さん自身の来歴&インタビューがはさまれるといった感じ。

インタビューのなかで印象に残ったのが

日本には独特の死生観であったり、自然観がある。

で、それらは過去に「あった」のではなく、
いくら生活様式なんかが西洋化されたからといって消えることなく

「通奏低音」のようにわれわれの中に潜んでいる。

って話を古代にまで遡ってされてたのが印象的でした。

その思索の延長線上に今回の近松の心中物の話があったのかもしれません。

ちょうど折口信夫を読んでたんで、ものすごく興味深いハナシでした。

と、番組は進み演者さんに杉本さんがコンセプトを説明する場面では
多少緊張感が走りつつスタートした、杉本版『曾根崎心中』も

時間が経つにつれお互いの意思疎通がうまくいって、
舞台は大成功ってな流れになってましたけど...

勝手に推測するに(笑)、
杉本さんと演者さんたちとは(良い意味で)緊張感があっただろうと。

だって、私でも知ってるような
そうそうたるメンバーが揃ってたんですから。

その辺のぶつかり合いも見たかったなーってのが正直なところ。


ま、つらつら書きましたがナマで観られた方に嫉妬しつつ

ふだんとは全然演出の違った文楽も垣間みれたし
たまにはテレビも見てみるもんやなーと思いつつ

文楽発祥は上方やってことにミューに胸をはりつつ

睡魔に勝てずにブログ更新をさぼりつつ

気持ちよく眠りに落ちてしまった昨日でした。

※杉本博司さんのサイトは こちら 
※国立文楽劇場のサイトは こちら 
※あと、イチオシをひとつ
 「もうひとつの世界をつくる——理想の美術館建築とは?」をテーマにした
 建築家の安藤忠雄さんと杉本さんの対談を こちらに
 とても刺激的な内容の対談はモチロン、
 お二人ともU2のボノのことを「おっちゃん」「おっさん」呼ばわりしてて面白いです。


U2 - No Line On The Horizon Live in Dublin
※有名な話ですが、同名のアルバムのジャケット、杉本さんの作品です。


ではでは。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。  


Posted by conclave at 20:58Comments(0)あーと

2011年10月14日

看士さん、お疲れ様です。

      こんばんは。
      conclave(コンクラーヴェ)です。

      昨日の記事 のつづきで、美術館ネタをひとつ。

      みなさん、美術展なんかで展示室のスミでこんな風に




      座ったはる方の肩書き、ご存知でしょうか?

      「看士」さんっていうらしいです。

      で、その看士さん、
      甥っ子と「世界制作の方法」展を鑑賞中、こんなモノをくれました。

『中之島コレクションズ ジュニア・セルフガイド』




      B4ほどの大きさで、持ち手が付いてて、ちゃーんと作られた印象。

      これがですねー、実によくできたシロモノ。
      「各展示室を宝探しをする感覚で美術品を鑑賞しよう」
      っていうコンセプトで作られた子供用展覧会ガイド。

      たとえば最初の展示室に入って、ガイドのSTARTすぐにある




をめくると...





      こんな感じで説明書きであったり、
      鑑賞のヒントのようなのが書かれてたりします。
      それから、上の写真でも見えますが、
      「○○カード」マークが出た場合は
      その展示室の看士さんにカードがもらえるってしくみ。

      で、冒頭に書いた「看士」という名称を知ったのも実は
      そのときにいただいた、この(きいてみて)カードのおかげ(笑)。




      どうすか、よくできてるでしょう。
      他のカードも凝ってて、モチロン全部はお見せできませんが

      きのうちらっと紹介しました
      ジョージェ・オズボルトに対応する「みてみてカード」だとこんな感じ。




      さらに「おたからカード」なるものもあって(!)、




      カードの裏には簡単な作品紹介も書かかれています。

      デザイン的にもいい感じで、下世話な話ですが

      国立国際美術館さん、お金取れますよ(笑)。

      たぶんオトナでも、わかりやすさこのままに
      ちょっぴりシックな感じに仕上げれば、じゅうぶんイケますよ、ダンナ。


      でもここで少々問題が。


      「カードが集めが目的」になってしまう危険性が(笑)。

      こども、特に男の子にとって「カード集め」、血が騒ぎます。
      また、ガイドの裏側にはご丁寧にカードを仕舞うポケットまで
      装着されてくれてたりするんですよねぇ(笑)。





      甥っ子も例にならい
      展示室に入るとまず看士のおねえさんを確認。
      手際よく該当箇所をめくって、カードをゲット!!
      そそくさと次の展示室へ(笑)。

      伯父として申し訳ないです...。


      ま、そんななかでもガイド片手に鑑賞してた
      オズボルトが印象に残ってたり、
      ジャコメッティの「鼻」や奈良美智さんの作品に
      ちょっぴり反応したりと収穫はあったようですケド。

      流石に
      豪快にピカソやモディリアーニ、ロスコ、ダリ、キリコ等々
      そうそうたる面々の作品をチラ見程度で去っていく後姿をみると

      「ぅおーい!!」って叫びそうになりましたが(笑)。


      そんなこんなで子供に対しても積極的に美術に興味を持ってもらおう
      って努力したはる美術館さんの取り組み、素晴らしいっす。

      そしてそして、結構な混雑のなか対応していただいた
      看士さん、ありがとうございました!!


      ではでは。
      最後まで読んでいただき
      ありがとうございました。
  

Posted by conclave at 23:59Comments(0)あーと

2011年10月13日

お目にかかれて嬉しい。

  こんばんは。
   conclave(コンクラーヴェ)です。

   こないだの記事でちらっと書きましたが

   国立国際美術館で開催中の

   「世界制作の方法」展と「アンリ・サラ」展、

   そしてそして
   「中之島コレクションズ」展を鑑賞してきました。
   ※写真は以前に撮ったもの



   甥っ子を引き連れての観賞ゆえ

   内心「退屈ちゃうやろか?」と思ってたんですが

   先にまわった「世界制作の方法」展では


     「まだあっち観てへんで、行ってみよ」


   なーんて意外と積極的で、嬉しい誤算
   (そのぶんじっくり鑑賞とはいきませんでしたけど)。

   お次にまわった「アンリ・サラ」展でも甥っ子、
   時おり大音量で聞こえるドラムスの音をバックに
   スクリーンに映し出された映像に見入ってました。

   ここまでは私の思惑どおり。

   インスタレーションは子供にウケル(笑)。


  最後に「中之島コレクションズ」。

   こちらはうって変わって、「作品と対峙型観賞」。

   お兄ちゃんになったとはいえまだ小三。

  ひとつの作品に向き合ってあれこれ思索、ってわけにはナカナカ。


  この点、美術館側もこども対策を考えてくれてたんですけど
  (このはなしはまた別の記事で)、

  そう簡単には...やはり...いきませぬ(笑)。


  私の小三時代なんて、
  外を走りまわってるか、ドラクエの日々ですから。
  エラソーなことは言えません。

  ちょこっとだけでも琴線にふれてくれれば、それでOK。


  そんなこんなで、みっつの展覧会を観終わったあと


   「なんかオモロイ作品あった?」と聞いてみたところ


  「あの、手くびが樹にぶら下がってたヤツ」と甥。


   Djordje Ozbolt / pleased to meet you 2009
  ジョージェ・オズボルト/お目にかかれて嬉しいです 2009
    ※ちっこい画像しか見つかりませんでした。実物をぜひ!



   お目が高いようで嬉しいです(笑)。
    私も大好きな作家さん。

   オズボルト、大阪ではなかなか実物を「お目にかかれない」
   作家さんですが、ネットの画像なんかを観る限り
   聖典の一場面を切り取ったような緊張した作品の中にも
   どこかユーモアがあったり...個展が望まれる作家さんです。

  現代の小三、おそるべし!!


  てな感じで駆け足で回りましたが
   今回の三展覧会、いずれも素晴らしかったー。


  いやー、
  今年最後にやってくれましたよ 国立国際美術館さん。

  ってことで、
  もいちど日を改めてリベンジ決定(笑)。

  詳細はまたこんど~。


   ではでは。
   最後まで読んでいただき
   ありがとうございました。  


Posted by conclave at 23:03Comments(0)あーと

2011年08月28日

ポケットの中の美術館

こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。

iPhoneアプリでこんなのが出たそうです。

サントリー、美術コレクションから厳選した作品を収録した公式アプリ公開

よさげプラス無料ということで、早速ダウンロードしてみました。

トップ画面




で、一覧から見てみたい所蔵品を選択すると・・・
こんな感じに表示され、




スライドさせると、説明も読めます。




良いと思います。
写真も美しいし、説明も簡単にまとまってて、入口としては充分かと。
で、興味をもってもらえたらホンモノを鑑賞しに美術館に足を運んでもらうと。

私としては、少しくらいお金を払っても良いので、
品数を増やしてほしい(今は50点)のと、回転表示できればなお良いかなあ。

話は変わりますが、web上で美術館の所蔵品を鑑賞できるサービスが増えてたりします。

最近では、紆余曲折中の大阪市立近代美術館の所蔵品の一部が鑑賞できる
Artrip museum が、オープン。
学芸員のかたの解説なんかも聞くことができ、良い試みだと思います。
あれだけの所蔵品、みんなが気軽に観れないのはまさしく、宝の持ち腐れですもんね。
がんばって欲しいです。


有名どころとしては
Google art project 。

とにかく、規模が段違いです。
超極細カメラを使用しただけあって、ものすごく鮮明に作品を鑑賞することができます。
たとえば、しつこいですが、ルソーさんの『夢』もこのとおり

大きくてきれいなディスプレイで観たくなります。

と、こんな感じで結構、家にいながら美術鑑賞ってのにも良い環境が整ってきてます。
もちろん、特別展なんかは実際に美術館に足を運ぶのがベストですが、
常設展示なんかは積極的にネットやアプリで鑑賞できれば、
入口として良い効果を生むんじゃないかなあと。





ではでは。
今日もこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
  
タグ :iPhone


Posted by conclave at 23:59Comments(0)あーと

2011年08月24日

iPhoneで森山大道風写真

こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。

昨日の記事のとおり、森山大道さんの写真展に行って、
すっかり写真の面白さに魅了されました。

そうなればやはり自分でも写真をパシャパシャ撮ってみたくなるもの。

どうせ撮るなら、森山さんにあやかってモノクロやっ、ということでアプリを探索。

こんなアプリをみつけました。
iPhoneアプリ 「 spica

85円也。
ダメもとで購入。

で、アプリを使ってさっそく撮ってみたのが下の写真でございます。

森山大道風?『マークジェイコブスと換気塔』



森山大道風?『情報の多い居酒屋』



森山大道風?『足止めパトカー』




森山大道風?『初代iPod』




森山大道風?『液体ムヒ』※「唯一無比」、「天下無比」が語源です。




もう、このへんでやめときます。。。

アプリ自体はシンプル設計で使い勝手は上々。
設定しておけば、カラー写真も同時に保存してくれて、
ちゃーんと、デフォルトの写真フォルダに保存されてて便利。

モノクロ化するだけで撮影が楽しくなるのが不思議です。

あとは撮影者のセンスのみ。

また、発表しまーす(笑)。


Belle & Sebastian - I Want The World To Stop






ではでは。
今日もこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
  
タグ :iPhone


Posted by conclave at 20:59Comments(0)あーと

2011年08月23日

森山大道 ON THE ROAD




こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。

昨日の記事の続きになりますが、
きょうは、森山大道さんの写真展、
「ON THE ROAD」のおはなしを少々。

私自身、写真にうとく、
当然写真展というのもほとんど鑑賞した経験がなかったんですが、
たまには自分の興味の範疇外の経験も良いかなと。

結果から言いますと、大正解!


面白かったのが。。。

ひとつは、モノクローム写真のほうが、素材の表情がより強く感じられたこと。

そのことを特に感じた作品が、
1枚の写真の中に、サクラ(?)の花と狛犬がおさまっている作品。
遠目には「花と石」にしか見えません。
近くに寄ってみてはじめて、サクラと狛犬ということがわかったんですが、
すでに、「花と石」っていう素材の印象が強烈にアタマに入ってきてますから、
狛犬のほうなんか、「狛犬にみえる石」にみえる逆転現象が。


あとは、当たり前ですが写真の撮り方によって受ける印象がずいぶんかわること。

たとえば駅の雑踏を撮った写真。

少し引いた視点から撮った雑踏では、
自分はそのなかに参加していないことにより、
全体に対しての部分が明確になっていたような。

対して、雑踏に参加しながら撮った写真では、
前方は前を歩く人の肩越しにしか、垣間見ることはできないし、
自分がいま、どれほどの混雑のなかに身を置いているのかも
わからなかったり。なんかざわざわします。

などなど。見ごたえありましたよー。

全体の展示内容自体も、大規模で、
とくに「東京」という展示室は大空間の壁いっぱいに森山さんの作品
が展示されていて、さながら「リアルサムネイル部屋」という感じ。
圧巻です。


入館時間が割と遅めで、しかも現代アートを先に観ちゃったため(笑)、
時間の余裕がなく、駆け足での鑑賞となってしまいました。残念。

近いうちにもう一度行こうかなあと、思ってます。


Belle & Sebastian - I Didn't See It Coming




ではでは。
今日もこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
  

Posted by conclave at 22:59Comments(0)あーと

2011年08月22日

「WHITE 桑山忠明」

こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。

ついこの間、国立国際美術館に行ってきました。


国立国際美術館の外観。




美術館自体は完全に地下に埋まってるんで、
地上部は地下へのエントランス機能のみを担ってます。
なんで、このうにょうにょ(笑)は、ステンレス製のオブジェのようなものです。
シーザー・ペリ アンド アソシエーツジャパン設計

いつもはチャリンコで行くんですが、この日はあいにくの雨。
地下鉄&バスで行きました。

さてさて、今回の目的は大阪ゆかりの写真家、
森山大道さんの展覧会「オン・ザ・ロード 森山大道写真展」の鑑賞だったんで、
そそくさと森山さんの展示を観にB3階に向かう予定だったんですが、
B2階でなにやら面白そうなコレクション展が。


「WHITE 桑山忠明 大阪プロジェクト」


むむ、現代アートっぽい。
サントリーミュージアムの閉館(涙)以来、
大阪で大規模な現代アートの展覧会が観れるのは
この美術館くらい(こないだの堂島リバービエンナーレも見逃したし)。



はい、予定変更(笑)。
B2で下車。

と、いうことで「WHITE 桑山忠明 大阪プロジェクト」
前知識なしで鑑賞してきました。


●概略

まずはじめの展示室。

細長い空間の壁面に、
等間隔におなじ高さで、大きさも同じ“白い”キャンバスが
18枚(後からの知識です)ならんでおります。

近くに寄ると、単なるまっ白いキャンバスではなく、
真んなかにスリットが入っているのがわかります。

つまりこの部屋は
「まんなかにスリットが入った白いキャンバス」が18枚並んだ部屋です。


つぎの展示室。

細長い空間の壁面に、
等間隔におなじ高さで、大きさも同じ“白い”キャンバスが
18枚(後からの知識です)ならんでおります。

近くに寄ると、単なるまっ白いキャンバスではなく、
幅のある白いテープが角度をつけられて
何重にも貼られていることがわかります。

つまりこの部屋は
「白いテープが貼られたキャンバス」が18枚並んだ部屋です。


最後の展示室。

こちらは一転、変化が見られます。
前2室のキャンバスを4枚組にしたり、縦方向に並べてあったり。
と、いっても、あくまで使われているのは、白いキャンバスです。

あ、言い忘れましたが、それぞれのキャンバス、びみょ〜うに相違があります。


●私の行動(笑)(数字順に)

①はじめの何枚かを鑑賞した時点で、それぞれのキャンバスの違いに気づく。
 →このあたりは、けっこう集中。足取りも重い。

②大まかなでティールに注意を払いつつも、反復の連続を確認。
 →展示室のはしに近づくほど、歩く速度もあがる。

●思ったこと

反復の連続中、自分が展示室のどのあたりに位置しているのか意識になかったこと。
ただ流れに乗っているだけのような。

また、それぞれのキャンバスの相違はアタマにありつつ、ちいさなちがいは捨てて、
大きなちがいにのみに集中している自分があったこと。

あと、この「反復の連続」に人間ってどれだけ耐えられるのか(笑)。

でも、これ(反復の連続)については音楽のループに快楽を感じたり、
コトバの反復の連続によって、疑うことに鈍感になったりとか、
「耐えている」とは違うかもしれませんが、日常生活にも「反復の連続」
って入り込んでいるのかもしれませぬなあ。


と、これはあくまで、私が作品から影響をうけて
勝手に想像を拡げた戯言でございますが
現代アートの感じ方は十人十色であって良いかと。


鑑賞後すこし疲れますが(笑)、
けっこうおススメの展覧会?かも。

※ちなみにB2階の「コレクション展/桑山忠明展」に関しては、
 9月3日の土曜日は無料で観れるようですよ。

The Chemical Brothers - Star Guitar




ではでは。
長くなりましたが
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。


  

Posted by conclave at 22:49Comments(0)あーと

2011年08月03日

ルソーさんと○○オさん




こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。

早速ですが、今日、ある芸術家のtwitterを
拝読するとこのような内容が・・・

「アンリ・ルソーの独学絵画が20世紀美術の中で存在を発揮しているのは
 そこに「本能」と「肉体」があるからだ。」


個人的に、なんとタイムリーな。


その直前には、こんなtweetを

「独学って結局、肉体を通過することで学ぶんだけれど、
 アカデミックな学問は人の考えを自分の頭に移植するようなもんで、
 暗記みたいなもんだ。解った気になるだけで、錯覚じゃないの。
 そんな錯覚人間が集まって錯覚社会を作っているというわけか。」


また痛烈なご意見を。

私自身も、反省させられるtweetであります。


はい、ここらへんでこのtweetをされた方の正体を。


横尾忠則さんであります。


当然、私は単なるいちルソー・ファンでありますが、
アタマではなく肉体、っていうルソー解釈はすごーく共感します。

まぁ、横尾さんがおっしゃるんで説得力が増すんですが。


横尾さんといえば、3年前のちょうど今ごろ、
兵庫県立美術館で開かれた、「横尾忠則・冒険王」という
展覧会を鑑賞したんですが

その中で、横尾さんが描いたルソーさんの絵のパロディを
鑑賞して、一人さびしく感激したのを思い出しました
(私が行ったときは、ルソーパロディ・コーナーは観客まばらでした)。


たとえば、ルソーさんの自画像
風景の中の自画像 1890年・プラハ国立美術館



が、横尾さんの手にかかるとどうなるか?

興味がある方は、
ほぼ日刊イトイ新聞のこの記事
http://www.1101.com/boukenooooo/2008-05-30.html
を閲覧ください。

※記事自体もめちゃくちゃ面白いですよ。
 お時間あれば、ぜひぜひ。

このなかでは、触れられてませんが、
この絵に限らず、ルソーさんの絵でよく話題に上るのが、「遠近法」。

ルソーさんは遠近法をマスターしていたのか、
マスターした上で、この自画像のような絵を
あえて描いたのか?
※この問題、詳しく知りたいかたは昨日紹介した
『アンリ・ルソー楽園の謎』をお読みください(笑)。



横尾さんのパロディ画によって、
絵画の常識にそって描かれた、自画像を現実にみることで、
この問題があざやかになりました。

私個人が思うのは、単純にルソーさんは自身が
見えたままを描いたのではないかなあ、と。



ちなみに、
横尾さんの作品で好きなのは「Y字路シリーズ」であります。

記事の一番上、ポストカードの写真もY字路シリーズで、
作品名は とりとめのない彷徨・2002年。


Y字路シリーズについては・・・

おなじくほぼ日サイトで、
横尾さん・タモリさん・糸井さんで
その名も「Y字路談義」(笑)って記事があります。

そのなかで、もちろん「Y字路」作品も何点か見れます。
こちらもぜひぜひ。
http://www.1101.com/yokoo_tamori/2004-07-07.html


では、Yつながりで
Norah Jones : Don't Know "Y”(しつこい?)



ではでは。
今日もこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

  


Posted by conclave at 20:44Comments(0)あーと

2011年08月02日

フランスジャングル画家

こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ)です。


いきなりですが、連想ゲームです。

「フランス ジャングル 画家」から連想する人物は・・・?


・・・アンリ・ルソー!!


正解。おめでとうございます。

憧れのエーゲ海クルーズ・ペア10日間の旅 をプレゼント・・・

はできませんが、


今日は、私の好きな画家ナンバーワンのルソーさんについて。

※ちなみに、試しに上のキーワードでぐぐってみたら、
Google先生、ちゃんとルソー関連の結果が。さすがです。



なぜルソーさんが好きなのか?


もちろん、私は芸術の教育はなーんにも受けてないので、
技法とか、歴史的な位置づけとかは置いといて。


変な言い方ですが、ルソーさん、「アタマの中のニオイ」がすごいんです。


全くの想像物から、目で見たものの記憶やら、聞いたものやらとにかく
アタマの中から次から次へと出てくるものを、透明な箱にギュギュッと押しこんで、
それを「ヨッシャッ」と描いたような(笑)。


アタマももはや、肉体の司令塔ではなく、肉体と一体化しちゃってるというか・・・。


はい(笑)。見事に説明に失敗しましたんで、


ルソーさんの魅力を存分に伝えてくれる書物を一冊。

岡谷公二著『アンリ・ルソー楽園の謎』です。




基本的にはルソーさんの評伝ですが、題名のとおり、

たとえば・・・

ルソーさんの作品はなぜに正面の構図が多いのか?
田舎の婚礼1905年・オルセー美術館(パリ)



ルソーさんの描く子供はなぜにふてぶてしいのか?
人形を持つ子供 1908年・オランジェリー美術館(パリ)



そして、傑作『蛇使いの女』の解説 
蛇使いの女 1907年・オルセー美術館(パリ)




などの謎に著者が答えてくれます。

また、ピカソ、ゴーギャンとのエピソードにも結構ページを割いていて、
特に、ルソーさんと経歴が似ているゴーギャンの部分は読みごたえあります。


あと、マメ知識として、よくある画家の貧乏話かもしれませんが、
ルソーさんも例にもれず、借金のかたに自作を持ち込んだそうです。
ここまでなら、まあ許せるんですが、なんと持ち込まれた方は、
作品を科学液につけて、カンヴァスとして再生させたそうです・・・。

なんとも悲しい話です。

その他にも、ルソーさんの人柄なんかも存分に触れられていて、
この本を読めば、いっぱしのルソー通になれますよ。


著者の岡谷先生はフランス文学・芸術の権威でらっしゃるので、
当然、資料に基づき技法の説明なんかをされるわけですが、
文章の端々からルソーさんへの愛情がみてとれます。
だから特に、私のようなルソーファンからすると、バイブルのような書であります。


上の絵をみて、なにか感じた方(気持ち悪くても良いです)、
ためしに本を読んでみるか、ネットでルソーさん情報にすこし触れてみてください。
案外、虜になるかもしれませんよー。



ではでは。
今日もこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。




  


Posted by conclave at 22:32Comments(0)あーと