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2011年09月03日

『からだと心の対話術 』

こんばんは。
conclave(コンクラーヴェ) です。


きのうは男子サッカーの代表戦、
きょうはなでしこジャパンに世界陸上。

で、で、何気に今から楽しみなのが、あまり盛り上がってない(?)
ラグビーワールドカップ(一応、私、ラグビー経験者なんであります) が9日に開幕!
などなどスポーツイベントが目白押しの9月。

それぞれ競技は違えど、 アスリート達の身のこなしに目を奪われる日々です。
と、それを観戦する私のからだは、最近の悪天候のせいで(はい、言い訳です)
運動不足がたたったせいか、おなかの肉がやわらかくなってきたような気が(笑)。

体重はなんとかキープしてるんですが。。。

そんななか、ついさっき読み終えた本です。

近藤良平著『からだと心の対話術』
『からだと心の対話術 』


思えば、からだってふしぎです。

たとえば、目にゴミが入ったとき
アタマで考える前に、
手は勝手に動いて目をごしごししてたり。

かと思えば、アタマでは普通に歩いてるつもりなのに、
つまづいてしまったり。

そんな、制御できてるようで制御できなかったり
便利なようで、不便であったりといった「からだ」。

じぶんの所有物なのに、
わかったようでわからない「からだ」。

著者の近藤さんはこの本のなかで、

まず「からだ」を「道具」におきかえてみることで
客観的に「じぶん」と「からだ」との関係を考えてみようと提案されます。

そう考えると「道具」である以上、ちゃんとお手入れしないと性能は保てない。

でも、そもそも「からだの性能(が良い)」ってどういうこと?

てな感じで話はすすんでいくことに。

そう考えた場合、どうしても
「からだの性能の良さ」=「運動神経の良さ」と考えてしまいがち。

対して、近藤さんは「運動神経」とは別の基準として
「集中してからだをコントロールしながら、慎重にことがらを行う」能力を
「身体能力」と定義した上で、そういった基準も別に存在するよ。と。

そして「身体能力の高さ」もからだの性能として評価されるべきとも。

このあたりの視点、面白いと思いました。

言われてみればそのとおりで、たとえば、
「サッカー選手のからだ」はサッカーをするのにはとびきり適した「道具」ですが、
彫刻を彫るのに適した「道具」とは限らない(その逆もしかり)。

道具(からだ)の評価基準がまったく違うんですよねえ。

で、この本ではモチロン「身体能力」にフォーカスした「からだ」の話
を中心に書かれてるわけです。

その際のキーとなるのが“コミュニケーション”。

話したりメールしたりと、とかく言語に依存しがちなコミュニケーションですが、

「からだひとつでこんなにコミュニケーションってとれんねんや!」ってことが

近藤さん自身の経験や、ワークショップでの成果(参加者はだいたい素人さん)なんかの
あくまで「からだをつかった」具体例でしめしてくれます。
(そのなかで私が特に面白かったのが「自分の遠隔操作」の話。面白いですよー)

そういった説明をつうじて、実は「からだ」と「心」も
密接にコミュニケーションをとってたりすることがわかってきます。

この本、「14歳の世渡り術」ってシリーズの1冊。
なんで対象年齢は「中学生以上、大人まで」。

ゆえに平易な文章で書かれてますが、内容は濃いです。
哲学的な問題をはらんでいる話題もちらほら(考えすぎかもしれませんが)。

と、思ってると、哲学者の鷲田清一さんとの対談が!

鷲田さんも「からだ」についての著作がたくさんおありで
(私が読んだなかで(少ないですが)オススメは
『てつがくを着て、まちを歩こう―ファッション考現学』)
まさに、ぴったりの対談。
このふたりで一冊だしてほしいと思ったくらいです。

さらに、ご丁寧に最後には「コミュニケーションを始める前の準備運動」
が写真付きで掲載してたりと盛りだくさんの内容
(こんど公園で「インディアンの休息」やってみよう)。

そんなこんなで、この本を読んだからといって、マッスルになったり、
足が速くなったりはしませんが、そういった観点とはちがう

「からだ」の可能性をしることで、
やわらかくなりだした、じぶんの「からだ」と対話しようかな
って気持ちになれた一冊であります。良書!


『からだと心の対話術 』



ではでは。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。




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Posted by conclave at 23:54│Comments(2)
この記事へのコメント
この文章、何度か読ませてもらってます(笑)
ヨガの世界でも「このからだは、借り物」と考えます。
借り物=道具なんですよね。

ヨガの解剖学も担当していまして・・・
このあたりも激しく反応します(笑)


あるヨガの先生が言います。
「生徒さんのからだのクセをみたら
だいだいの血液型は、わかるわね~」と。

からだは、いろんな意味で不思議です。
Posted by mai at 2011年09月14日 19:21
maiさん、コメントありがとうございます!
ヨガにもお詳しいとは。。。アタマが下がります。

<「このからだは、借り物」>
おぉ、この本に書かれていることに近いと思います。
じぶんのからだを客観視(対話)してみるって点では。
そう考えたほうが,よりからだのメンテナンスに敏感になれそう。

あと、追記なんですけど、この本の中には「脳」って単語、
(たぶん)一度もでてこないんですよね。

なんで、勝手な推測で。。。
(当たり前ですけど)脳もからだの一部ってことで、
「脳で考える」でなく、「からだ全体で考える」って考える(笑)と
また違ったモノの捉え方ができるかもって、考えた(笑)次第です。

とにもかくにも、私も同じく

からだは、いろんな意味で不思議です。
Posted by conclaveconclave at 2011年09月15日 00:13
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