conclave GARDEN WORKS ›  › 『スカパンの悪だくみ』

2011年07月27日

『スカパンの悪だくみ』

『スカパンの悪だくみ』


こんばんは。conclave(コンクラーヴェ)です。


昨日に引き続き書籍ネタですが、
文庫本って、出版社によってイメージが
違いませんか?

たとえば
ハヤカワは、海外ミステリーやSF、それからサイエンス系のイメージ。
新潮なら、小説はほぼオールマイティに強くて、中にはノンフィクションもあったり。
ちくまはシリーズによって大きく違いますが、全集が強いイメージ、などなど。

では、
岩波文庫のイメージってどんな感じでしょう?

かたくて、ふるくて、近寄りがたいイメージがあるんでしょうか?
書店に行っても、たいてい岩波の棚は空いていますしねえ。
ついでに言うと、地元の書店では岩波文庫自体おいてなかったりします。

それにひきかえ、新潮なんかは割と盛況で、小さい書店でも置いている確率が高い。


うーん、これはイカンということで、そんなイメージを払しょくさせるべく(勝手に)、
かるーく読めそうな岩波文庫を1冊、ご紹介します。


モリエール著 『スカパンの悪だくみ』です。

スカパン・・・そう聞いただけで、興味がわきませんか?
スカパンですよスカパン。
そのあとに悪だくみと続きますから、もう読みたくなるでしょう。

モリエールさんというのは、ご存知の方も多いかと思いますが、フランスの劇作家さん。
17世紀の作家で、古典主義の三大作家とか呼ばれる偉大なかたです。

『スカパンの悪だくみ』は、1671年、つまり340年前に書かれた喜劇のいわば台本。
なんで、登場人物のせりふのみでテンポよく話は進みます。
1、2時間あれば充分読めるのでは。


内容は・・・
親が居ぬ間に息子たちが、恋愛にうつつをぬかし勝手に結婚の約束をしてしまう。
困った息子たちは下僕である、スカパンに助けを乞う。

ってな話で、もっというと、そのうつつを抜かしている相手が実は、
親が息子の結婚相手にしようとしている女だったというオチなんですが、

やはりそこはスカパン。

だてにスカパンを名乗ってはいません。

息子たちの恋愛の成就のためという大義名分にかこつけて、
本来、忠実に従うべきである父親たちをたくみに出しぬきます。
ここぞとばかりに。

この父親たちと、スカパンのやりとりが絶妙で、
このやりとりから当時のフランスでは(も)、
裁判というのがいかに面倒でお金のかかることであったかなど、
知ることができたりもします。


と、つらつらと書きましたが、
あくまで個人的な意見として、
フランス版吉本新喜劇として読んでも、充分楽しめると思います。

スカパン役は・・・・
やはり、今だったら、小藪さんかな?

話もうまいし、なにしろあのうさんくささが(もちろん新喜劇のなかでですが)
スカパンぴったりかと。

できれば、いつもの学ランに長髪すがたでおねがいしたいなあ(笑)。


・・・と、妄想しながら再び本を開くと、本の中のスカパン、
やっぱり、いい加減なことをもっともらしくしゃべっておりました(笑)。


最後に、そんなスカパンの血を引く?
フランスの『レミさんの悪ふざけ』です。
『スカパンの悪だくみ』

ではでは。
今日もこのへんで。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。




同じカテゴリー()の記事画像
EVERNOTE「超」知的生産術
グリシャムの児童向け本
やっぱりオモロイ児童書
『腰痛はアタマで治す』
ジュンク堂スマホサイト
ネット書店とリアル書店
同じカテゴリー()の記事
 EVERNOTE「超」知的生産術 (2011-10-02 23:51)
 グリシャムの児童向け本 (2011-09-26 22:02)
 やっぱりオモロイ児童書 (2011-09-25 23:48)
 『腰痛はアタマで治す』 (2011-09-14 22:39)
 ジュンク堂スマホサイト (2011-09-13 21:27)
 ネット書店とリアル書店 (2011-09-05 22:09)

Posted by conclave at 20:05│Comments(2)
この記事へのコメント
こんにちは。
めちゃおもしろい文章ですね!
例えの小藪さん、笑いました。わかりやすすぎです(爆)
Posted by maimaimaimai at 2011年07月28日 11:00
maimaiさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
追記なんですが・・・。
あれからスカパンで検索したところ、
スカパンって女性のファッションで存在するみたいですねえ
(いまだに明確な意味は理解できず、途中で調査を断念しましたが)。
無知でしたよ。

なんで一応注意書きですが・・・
記事の中のスカパンは、あくまでモリエール喜劇のスカパンであって、
実在するスカパンとは一切関係ございません(笑)。
Posted by conclaveconclave at 2011年07月28日 22:01
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。